虫歯のメカニズム
お口の健康に欠かせないのが、虫歯のない歯をつくる生活習慣を心がけることと虫歯になりにくい強い歯をつくることです。自分が虫歯になりやすいのは生まれつきと感じている方や虫歯をゼロにするのはむずかしいと思っている方も多いかもしれませんが、実は、虫歯ができてしまうメカニズムをきちんと理解することで、誰にでも虫歯になりにくい口内環境づくりや効果的な歯磨きなどが実践できるようになります。
虫歯の原因となるのは、口腔内のミュータンス菌(原因菌)です。いつもは中性を保っているミュータンス菌ですが、歯に残った糖質を摂取して分解の段階に入ると、プラーク(歯垢)をつくり出します。そして、プラークのなかでミュータンス菌が増殖してしまうと酸がつくられ、酸が一定の濃度を超えることによって、歯のエナメル質からカルシウムなどが溶け出し、虫歯が進行していってしまうのです。
虫歯の予防のためには、虫歯発生のメカニズムのキーワードとなる、酸が歯を溶かす脱灰の状態と歯が自分を守ろうとする再石灰化の状態のバランスを保つことが大切です。一見、普段の生活のなかでは意識することがむずかしいように感じるかもしれませんが、1日3回決まった時間に食事を取る規則正しい食事習慣を身につけたり、虫歯の原因となりにくいキシリトールなどの甘味料を優先して摂取したりして、歯が酸にさらされてしまう時間を短くするために食後は早めの歯磨きを心がけると虫歯予防につながります。
また、歯への定期的なフッ素塗布、汚れが付着しにくい歯並びのよい歯列への歯科矯正などのプラスアルファのケアも、虫歯予防に効果的です。例えば、毎日の正しい歯磨きは、誰にでも今すぐにはじめられる一番簡単な虫歯の予防方法のひとつです。
自分が歯の隅々まで磨きやすいと感じる歯ブラシを使うようにする、自分の歯並びに合った磨き方のコツを覚える、歯ブラシ・デンタルフロス・歯磨き粉・洗口液の成分や使いやすさを考慮して選ぶなど、「虫歯予防のための、より効果的な歯磨き」を意識して工夫をしていきましょう。