矯正歯科の費用について
歯並びと噛み合わせを整えることをおもな目的としている矯正歯科。さらに最近は、虫歯や歯周病といった歯科疾患の予防、顎の骨の成長発育障害の予防、咀嚼機能の改善や維持、口唇閉鎖不全の改善、発音の改善などの多岐にわたったメリットがあることでも知られてきています。歯列矯正には、決して安いとは言えない費用と年単位の時間がかかるという認識をお持ちの方が多いかもしれませんが、実は、ひとりひとりのお口の状態や歯科矯正をはじめる時期などによっても、歯列矯正にかかる費用はさまざまです。
歯列矯正には、健康保険が適用される「特定の疾患」に該当されるケースと健康保険が適用されずに自費費用となるケースがあり、実際にかかる費用がそれぞれで変わってきます。一般的に、歯列矯正にかかる費用では、10万円から100万円ほどが目安といわれていて、一部分の歯並びを矯正するか、それとも全体的な歯並びを矯正するかどうか、どのような矯正装置を使うか、治療が終わるまでにどの程度の期間を要するかなどが実際の費用に影響してきます。
歯列矯正が保険診療の適用範囲になるのは、厚生労働大臣が定める疾患に原因がある咬合異常の治療、前歯3歯以上の永久歯萌出不全に起因した咬合異常の治療、顎変形症の手術前後の治療のみです。また、これらのケースに該当する場合でも、全国どこの歯科医院で行なってもよいというわけではなく、厚生労働大臣が定める基準を満たす医療機関での歯科矯正に限定されるため、少し注意が必要です。
これらは稀なケースで、おそらく歯科矯正を検討する方のほとんどが自由診療になるでしょう。初診費用、検査とそれに基づく診断の費用、矯正とその後の経過観察にかかる費用などの合計が、歯列矯正を終えるまでにかかる総費用となります。歯列矯正にかかる費用面の相談はどの歯科医院でも気軽にできますし、デンタルローンを利用する方法もありますので、ぜひ検討してみましょう。