歯周病菌について
歯周病菌とは、歯周病の発生や進行などに関与する細菌のことで、細菌は1種類だけでなく800種類をこえるといわれています。口腔内に潜む細菌の中でも、レッドコンプレックスと呼ばれる歯周病の進行を早める細菌には要注意です。
レッドコンプレックスには、ポルフィロモナス・ジンジバリス、タネレア・フォーサイシア、トレポネーマ・デンティコーラの3種類があります。この3種類が口内に発生すると歯周病の進行を早めるといわれています。特にポルフィロモナス・ジンジバリスは病理性が高い細菌なのです。この菌の発生の原因はまだ定かではありません。歯周病に罹患していない人の口内からも見つかっている細菌で、これらの細菌は、血液を好み、酸素のない場所を好みます。そのため、歯茎からの出血があるとそれを餌にどんどん繁殖し、酸素の少ない歯周ポケットの奥で活発な活動をしていきます。
歯周病の恐ろしいところは、その影響が口内だけにとどまらないところです。歯周病が進行すると菌は口内だけにとどまらず、血液によって体中に運ばれます。特に臓器に影響を及ぼすことがわかっています。例えば、脳への血流が細菌によって滞り脳血管疾患を引き起こします。
また、歯周病患者は心筋梗塞や感染症心内膜炎などにかかりやすいといわれています。細菌が血管内にとどまりはじめ、血流が悪くなることでさまざまな病気が引き起こされるのです。
糖尿病の人は歯周病になりやすく、歯周病になると糖尿病が悪化します。これは糖尿病によって免疫力が下がるために起こります。また歯周病はインスリンを生成しにくくするため血糖値が下がりにくくなります。そのため、糖尿病が悪化するのです。
妊娠している状態で歯周病になると早産の危険性があります。妊娠するとホルモンバランスが変化して歯周病になりやすくなります。また、つわり中で歯磨きが不十分だったり、妊娠中に免疫力が下がったりすることで歯周病になりやすくなります。
歯周病菌は、どの方の口の中にもある細菌です。しかし、これを増やさないためにも定期的に歯医者さんに通って歯周病予防をする必要があります。