インプラント治療後のメンテナンス
歯周病や外傷により、失われた歯を取り戻す治療としてインプラント治療がありますが、今回は治療後のメンテナンスについてを中心にお話していきたいと思います。
はじめにインプラント治療とは、アゴの骨に人口歯根を埋め込み、その上から人工歯を装着するという治療です。人口歯根は、主にチタンで作られており生体親和性がとても高いのでアゴの骨にしっかりと固定することができます。患者さまの歯や身体状況によって治療法は変わりますが、ご自身にとって一番適切な治療法を選ぶことが大切です。
インプラント治療を受けた際には、せっかく治療をして埋め込んだインプラントを長期的に使い続けるためにも、治療後のメンテナンスがとても重要になります。では一体どのようなメンテナンスが必要なのか、メンテナンスの方法や重要性について詳しくお話していきたいと思います。
まず、治療後に注意しておきたい点としてインプラント周囲炎というものがあります。これはメンテナンスを行なう最大の理由とも言えますが、インプラントは天然歯と違って歯根膜がないため、歯根と骨が直接的に交わっている状態になり、インプラント周囲炎のような炎症が起こりやすくなっています。
インプラント周囲炎は、名前の通りインプラントの周囲に炎症が起きるもので、具体的にはプラークといった歯垢が溜まってインプラントの周辺組織が細菌に感染することによって引き起こされます。インプラント周囲炎の特徴としては、歯周病と同様にほとんどの場合痛みを感じにくく、進行速度がはやいので自覚症状に気が付きにくい場合があります。メンテナンスを怠ってしまうと口内の清掃がセルフケアだけでは行き届きづらくなるので、症状が進んだ際には、最悪の場合インプラントが抜け落ちてしまうことがあります。このように、インプラント周囲炎を防ぐためにも治療後のメンテナンスは非常に重要だと言えます。
メンテナンス内容については、口内の状態を確認してインプラント周囲炎の有無をチェックします。また、嚙み合わせやレントゲン撮影によって、むし歯の進行や骨の状態の確認も行ないます。メンテナンスの頻度については個人差がありますが、一般的には3カ月から半年に1回を目安に受診します。
今回は、インプラント治療後のメンテナンスについてお話していきました。インプラントを長く使い続けるためにも、定期的なメンテナンスをしっかりと行ないましょう。