インプラントの手術法について
インプラントは、義歯ですが外科的手術を必要とする治療です。ただ、一般的な義歯である入れ歯とは違い、普通の歯と同じように違和感なく生活できるメリットがあります。ですが、手術と聞くと怖いイメージを抱くのも分かります。今回は、インプラントの手術法について解説しましょう。インプラントの手術法には「一回法」と「二回法」の2種類の術式があります。一回法とは文字通り、手術を1回だけ行なう方法です。二回法は、2回に分けて手術を行なう方法で、ほとんどの歯科医院では二回法を採用しています。
その理由は、二回法の術式の方が一回法よりも、より安全だからです。インプラントの手術は、概ねどの歯科医院でも同じステップとなります。大きく違うのは、歯科医の経験と技術でしょう。これは、どんな医者でも同じですが、外科的手術の場合は特に経験が豊富である方がさまざまなケースに対応できます。では、1~9までのステップを、順番に解説していきましょう。
ステップ1では、事前にカウンセリングを行ない、患者の悩みや希望を丁寧にヒアリングします。ステップ2では、口に中を診察して、現在の状況を確認します。次に、レントゲンもしくはCTを撮影しますが、現在ではインプラント治療を行なう際にはほとんどがCT撮影となっています。CT画像を見ながら、インプラント手術に必要な検査を行ないます。ステップ3では、検査結果に基づいて治療計画を作成し、かかる費用と治療期間などの説明を行ないます。
最近では、インプラントの治療費の支払いには、クレジットカードやメディカルローンが利用できるようになっています。ステップ4で、先ず、インプラント手術の前に歯石除去などの処置を行ない、口の中をキレイにしておきます。
ステップ5にて、一次手術となり、インプラントを埋め込む個所に局所麻酔を使用し、麻酔が効いていることを確認した後に歯ぐきを切開し、インプラント本体を埋め込みます。インプラントが正確な位置に埋め込まれたことを確認後、歯ぐきを閉じて糸で縫合します。ステップ6は、結合期間としてインプラント本体と、あごの骨がしっかりと結合するため、3か月程度様子を診ます。
さて、ステップ7になると二次手術です。インプラント体とあごの骨の結合が完了したら、次は二次手術を行ないます。歯ぐきに麻酔を打ち、歯ぐきを少し切開してインプラント体の先端を露出させ、土台を立てます。この時に、生じた歯ぐきの傷が治るまで1週間ほど待ちます。
ステップ8では、人工歯の型取りを行ない、セラミッククラウンなどの人工歯を作製します。完成までは2週間ほど必要で、その後人口歯を土台に装着します。かみ合わせなどを調整し、問題がなければ完了となります。最後となるステップ9は、メンテナンスです。術後のメンテナンスは重要となるので、必ず受診しましょう。インプラント手術に問題が無いか、チェックを行ないます。このように、インプラントの治療は、1回や2回の通院では完了しません。短くても3ヶ月、長ければ6ヶ月以上治療期間が必要となります。手術自体は、2回でいずれも15分程度ですが、全体の治療は長期となります。ですから、インプラント手術を行なうには、通いやすい場所の信頼できる歯科医院を選ぶことをおススメします。手術時の痛みは麻酔で感じないので、思っているほど怖くありません。不安なことがあれば、なんでも担当歯科医に相談しましょう。