口腔外科と口内炎
人生で口内炎を経験している方は、とても多いのではないでしょうか。口の中を噛んでしまった・入れ歯や矯正器具が粘膜に当たり傷ができてしまったというような「物理的な刺激」でできる場合と、ストレスや病気などの免疫力の低下でできてしまう場合、ウイルスに感染したためにウイルス性の口内炎でできてしまう場合、ビタミンが不足し粘膜が弱くなってできてしまう場合など、口内炎の原因は本当にさまざまです。
口内炎は栄養不足で簡単に発症するため、忙しい現代人に多いといわれています。口内炎はできてから、1〜2週間で完治することが多いですが、時には「なかなか治らない」「痛みが強い」というような悪化してしまうケースもあると思います。そのような時は放っておかず、病院での治療をすることが安心ですが、口腔外科がある歯科医院でも口内炎の治療ができることはご存知でしょうか。歯の治療だけでなく、口内の粘膜のトラブルも口腔外科で対応することが可能なのです。
当院では口内炎治療にステロイドを配合した塗り薬か貼り薬を用いており、症状がひどい場合は痛み止めも処方しております。どちらも口内に直接塗布するものですので、慣れるまでは違和感を感じるかもしれませんが、効果は実感していただけるはずです。ウイルス性の口内炎の場合は、抗ウイルス剤を処方しております。口内炎の治療後もその予防が大切です。日々の歯磨きなどで口内の細菌を減らし、清潔に保つよう意識しましょう。また歯の被せ物が粘膜に当たったり、噛み合わせが悪く口内を傷づけたりして口内炎ができている場合には、それら専用の治療を行なうことができます。
ただの口内炎だと思って放っていたら、実は口腔癌だったという例もあります。「口内炎がなかなか治らない」というのが理由で、口腔癌が発見されるケースが圧倒的に多いのです。小さな違和感の背景には、病気が隠れていることもあるため、お口から顎にかけての痛み・違和感を感じた方は、ぜひ口腔外科に相談していただければと思います。