治療の確実性を高めるサージカルガイドとは
現在では、インプラントの治療は多くなってきている傾向にあります。施術の件数が増えれば、トラブルの件数も増えてくるのは仕方のないことかも知れません。ですが、生きていくための食物を咀嚼するために必要な歯なので、できる限りトラブルは避けたいものです。今回はインプラント治療時のトラブルを軽減できる、サージカルガイドについて解説しましょう。
日本顎顔面インプラント学会がアンケート調査を行なった結果、インプラント治療でのトラブルの内訳は次のようになっていて、最も多いトラブルが神経損傷となっており37.5%。トラブル2位は、上顎洞(副鼻腔とよばれる空洞の一つ)への悪影響が29.5%となっていて、これらはいずれも、インプラントを埋め込む位置(インプラントポジション)が、不適切であることが原因で起こるトラブルとなっています。
つまり、適切なポジションが取れればトラブルを防ぐことができます。そこで登場するのが、サージカルガイドです。インプラントポジションをサポートする装置が、サージカルガイドであり、これを利用してインプラントの施術を行なえば、適切な位置にインプラントを埋め込むことが可能となります。それでは、サージカルガイドとは何なのでしょうか?サージカルガイドとは、インプラント治療専用のマウスピース型の装置です。
ドリルを固定する穴があいているので、歯ぐきを大きく切り開く必要がなく、インプラントを入れる位置や深さ、角度についてほとんどズレなく処置が可能となります。インプラントの治療が安全かつ確実に行なえる装置なので、多くの歯科医院で利用されています。サージカルガイド治療のステップを見ていきます。
サージカルガイドを利用したインプラント治療では、次のステップで治療を進めます。「ステップ1:CTスキャンによる三次元的な診察」「ステップ2:シミュレーションソフトによる確認」「ステップ3:サージカルガイドの作成」「ステップ4:サージカルガイドを装着した状態で手術」サージカルガイドはCTスキャンによって、3次元の撮影を行なうのでレントゲンでは分からない、あごの中の神経までもしっかり確認できます。その画像を基に、患者専用のサージカルガイドを作成するので、インプラント治療でのトラブルを防ぐことができるのです。インプラント治療を受けるのであれば、カウンセリング時にサージカルガイドを作ってくれるかを確認しておきましょう。