小児矯正歯科について
最近は歯科医院のなかにも、矯正歯科や審美歯科を専門とする医院が増えています。それは、まさにお口の健康が身体にどんな影響を及ぼすかが究明されてきたことをあらわす証でもあります。ひと昔前までは、虫歯の治療などのトラブルが起こった後に治療をするという取り組みが一般的でしたが、最近は虫歯や歯周病などの歯のトラブルが起こるのを予防していくという取り組みが広く浸透してきています。
そして、子どもを対象に行なわれている小児矯正は、予防する取り組みの代表的なものです。日々すくすくと成長している子どもの時期は、今後の歯の成長に深くかかわってくる顎のバランスを整える絶好のタイミングとも言える時期になります。もちろん、すべての子どもに小児矯正が必要というわけではありませんが、先天性欠如歯や埋伏歯などを早期に発見することができるなどのメリットもありますし、早期の歯科矯正治療を行なうことで、意外な問題が解決できることもあります。
例えば、子どもの時期に多いとされる咀嚼・口呼吸・指しゃぶり・発音・吃音などの問題には、歯や顎に問題があることもしばしば見受けられます。適切な歯科矯正治療によって、これらの問題に劇的な改善が見られることもあります。また、子どものうちから定期的に歯科医院でのメンテナンスに取り組んでいくことで、虫歯や歯周病などの歯科疾患の予防知識を身につけたり、歯科医院に対する苦手意識を持つことなく通い続けられたりというメリットにつながります。
子どもの歯並びが気になる場合や顎の形に不安な点がある場合は、ぜひ一度、小児矯正について歯科医師を相談してみましょう。また、子どもに小児矯正を提案するときは、強制的な物言いになってしまったり、子どもの心を傷つけてしまったりすることのないよう言い回しを考慮するのも大切なことです。小児歯科の専門医や矯正歯科の専門医のアドバイスに耳を傾けながら、親子が二人三脚で取り組んでいけるようにしましょう。