虫歯のリスクについて
「あれ、虫歯かな?」と思いつつも、毎日を忙しく過ごしていることや、歯科医院に苦手意識を持っていることなどを理由に、虫歯のリスクがある歯を放置していませんか?
虫歯の進行は口内環境や、生活習慣によってもひとりひとりで異なってきます。歯科医院では、虫歯のごく初期段階は様子を見るために、あえて初期虫歯の処置をしないという方法を取ることもありますが、進行している虫歯を長く放置してしまうことはできるだけ避けたいこと。そのままにしておくと、歯の痛みだけに留まらず、身体のいろいろなところに思わぬ悪影響を及ぼしてしまうこともあるんです。
虫歯を放置することで起こる初期のリスクには、歯の痛み、お口の不快感、口臭などが一般的です。歯がしみるなどの自覚症状が出ている虫歯は、だいたい初期以上の虫歯となります。基本的には、痛みの増加とともに、神経や歯を失うリスクが高まっていってしまいます。また、虫歯を不適切に放置してしまうと、虫歯の細菌が身体のあらゆるところに感染してしまうリスクも増えていきます。
近年の研究では、鼻の粘膜に感染する副鼻腔炎、骨髄に感染する骨髄炎、血液に入ることによって起こる脳梗塞や心筋梗塞など、さまざまな炎症や病気へのリスクがあることがわかってきました。子どもの頃から歯科医院が苦手な方、仕事や子育てが忙しくてなかなか通院する時間が取れない方など、虫歯の可能性がある歯をそのままにしてしまう理由もさまざまかもしれませんが、歯は骨と同じく、一生もの。歯の痛み、歯茎の違和感、気になる口臭など、少しでも気になる自覚症状がある場合は、できるだけ早めに歯科医院を受診するようにしましょう。
また、冷たいもの・熱いもの・甘いものがしみる虫歯の痛みと冷たいものや風などの刺激がしみる知覚過敏の痛みは、なかなか見極めがむずかしいこともあります。いつでも「虫歯かもしれない」というリスク管理の気持ちで、痛みがあったら受診すること、自覚症状がなくても数ヶ月に一度は必ず歯科医院で定期検診を受けることなどを心がけましょう。