インプラント治療のメンテナンスで行なうこと
インプラントは半永久的なものではなく、約10年~15年の寿命のある義歯となっています。せっかく高額な費用を支払って、インプラント治療を受けているのですから、できる限り長く持たせたいですよね。そのためには、普段からの日常的なメンテナンスが必要となってきます。今回は、インプラント治療のメンテナンス内容について解説しましょう。
インプラント治療を終えた後に、日常のメンテナンスを怠るとどうなるのかを、先ずはお伝えしましょう。清掃(歯みがき)が行き届いていないと、インプラントの周囲にプラーク(歯垢)が溜まり、さまざまな細菌が発生してしまいます。こうなると、インプラントの周囲組織が細菌に感染する「インプラント歯周炎」を引き起こす原因となるのです。
インプラント歯周炎が進行すると、インプラントを支えている歯槽骨が破壊され、歯肉の退縮や人工歯根が露出してしまい、最悪のケースではインプラントが外れてしまいます。基本的には毎日の歯みがきによって、インプラント歯周炎や既存の歯の虫歯予防を行なう必要があります。
そのためには、正しい歯みがきの方法が重要となり、自己流での歯みがきでは、たとえ10分間ブラッシングしても隅々まで磨けていないケースが多くあります。ですから、歯みがき指導(TBI)を受けて、正しいブラッシング方法を身につける必要があるのです。インプラントにはチタン素材が使われていて、生体親和性が高いので施術後は次第に周囲の骨と結合していきます。
ですが、まだ結合しきっていない時に硬い食べ物を噛んだり、歯ぎしりなどで強い力を加えてしまったりすると、インプラントが完全に結合しないで、ぐらつきや脱落の原因となってしまいます。このような状態は、本人が自覚した時には既に対応が難しいケースもあります。また、歯みがき指導を受けての毎日の歯みがきでも、100%キレイに磨けている訳ではありません。
定期的に歯科医院に通院して、インプラントの健康診断と口腔内のクリーニングをしておく必要があります。インプラントの寿命をできるだけ長くするには、しっかりとしたセルフケアと定期的な歯科医院での検診とクリーニングが必要です。そのためにも、インプラント治療は通いやすい地元の歯科医院を選びましょう。評判がいいからと、遠方の歯科医院で治療を行なうと通いづらくなりメンテナンスが不十分になってしまい、インプラントの寿命を短くしてしまう恐れがあります。