口腔ケアと免疫力について
口腔ケアをするのは、虫歯にならないため、口臭予防をするため、といったお口の健康のためだけではありません。口腔ケアをしっかりと行なうことで、免疫力の向上にもつながるのです。体全体の健康、そのための免疫力アップは口腔内の健康から始まるともいわれています。したがって、日々の口腔ケア、定期的な歯科医院での健診、専門的な処置が大切です。
免疫力アップのための自宅での口腔ケアとしては、毎日のブラッシングはもちろんのこと、歯間ブラシやフロスを使って歯ブラシでは落としにくい汚れも落とすことが必要です。また、歯そのものだけでなく、歯ぐきを歯ブラシでマッサージすること、舌の上の汚れを落とすこともポイント。この念入りな口腔ケアにより、歯肉炎や歯ぐきの炎症が予防できます。歯肉炎や歯ぐきの炎症は、すなわち口腔内での細菌によるものです。口腔内で細菌が蔓延している状態は、免疫力にも悪影響を及ぼし、感染症にかかりやすく、重症化しやすくなってしまいます。
そして、これらの口腔ケアに加えて、マウスウォッシュの使用も免疫力アップにつながります。歯科医院では治療前後のうがいで使用されることが多いですが、エッセンシャルオイル配合のマウスウォッシュで、口内の細菌が90%以上減少することが研究でわかっています。インフルエンザなどのウィルスも短時間で不活性化するので、悪い細菌を減らせる口腔ケアは身体の健康及び免疫力アップのために作用するのです。
また、生活習慣を気遣うことも口腔ケアと免疫力アップにつながります。マスクをして、人と会話をする機会が減っていることにより、口腔内の唾液の量が減少しています。唾液は口腔内の粘膜を保護することや、虫歯や歯周病の予防をする働きをしています。人との距離をとったり、オンラインを活用したりして、会話を日常的にすることで唾液の減少を避けられます。さらに、鼻呼吸を意識して口呼吸ばかりにならないようすることで、口腔内に細菌や歯垢がたまりにくくなります。こうした直接的な口腔ケアだけでなく、間接的な口腔ケアができるということも認識し、免疫力アップに努めていきましょう。