歯周病の原因
歯周病の原因は菌が入り込み炎症を起こすことですが、口腔内には数百種類以上の細菌が常に存在します。口腔内には唾液による殺菌作用があるため、これらの菌は通常は問題ありませんが、歯磨きが行き届いていなかったり、砂糖を過剰に摂取していたりすると歯の表面に菌が停滞し、歯垢(プラーク)となります。歯垢は生きた細菌の塊で、酸素の少ない歯の隙間や歯と歯茎の間に好んで潜むのが特徴です。この細菌の塊が出す大量の毒素によって歯茎が炎症を起こすようになります。
細菌の出す毒素はネバネバした物質であり、粘着性が強く、歯の表面に定着し続けます。歯垢の中には10億もの細菌が住み着いており、これが歯茎の隙間から入り込むことで炎症の原因となります。歯垢はうがいをした程度では落ちることがなく、次第に硬くなると歯石に変化するのも特徴です。
歯石になると歯磨きでは取り除くことが困難になり、さらに多くの毒素を出して歯の表面により強く定着します。歯石の周囲にはさらに多くの細菌が住み着くようになり、炎症リスクも高くなるので歯垢の段階で対策が必要です。歯磨きの不十分や甘いものの過剰摂取以外にも、喫煙や糖尿病を患っている方は歯周病を進行させるリスクが高くなる傾向にあります。糖尿病や大きな病気を患っている方は体への免疫機能が低下しており、歯周病菌へ抵抗力が弱く、歯茎の炎症を抑えることができません。喫煙も血管を収縮させ、血行不良を起こすため細菌に対する抵抗力が下がってしまい、重症化することが多いです。
また、不規則な食生活や、ストレスなど外的要因でも血行不良を起こし、歯周病が進行することもあります。歯並びや咬み合わせが悪い場合、歯に合っていない不適合な詰め物や被せ物なども細菌が停滞しやすい隙間ができるため要注意です。口呼吸も口の中が乾き、歯を守ってくれる唾液の分泌を妨げ、歯周病を進行させてしまいます。これらの原因に思い当たる場合は早期に歯科に相談してください。