噛み合わせの治療
人間が生きていくためには、食事をしなければなりません。食事をする際には必ず「噛む作業」が必要となります。噛まない食事といえば流動食が考えられます。生きていくために当たり前の「噛む」ことですが、実は噛み合わせが悪いと良くないことが起きてしまうのです。噛み合わせが悪い場合、歯ぎしりなど寝ている間に無意識で行なってしまうことや、日常で起きている間に行なう「食いしばり」が多くなれば、あごに悪影響を及ぼしてしまいます。知らない間に頭痛や肩こりが酷くなった場合は、顎関節症が原因かもしれません。
あごの筋肉は首や肩の筋肉につながっているので、あごの影響が首や肩にまで及びます。このように、噛み合わせの悪さを放置しておくと、身体のさまざまな部位に悪影響となってしまいます。一般的に噛み合わせは、「就寝時の姿勢(横向き寝・うつぶせ寝)・頬杖・口呼吸・歯ぎしり・食いしばり・舌の緊張・加齢変化」の影響を受けるといわれています。いずれにしても、早めに噛み合わせの治療を行なうことが、健康な体を保つ秘訣にもなっています。では、噛み合わせの治療とはどのような方法で行なわれるのでしょう。
まずは、生活習慣をチェックして改善していきます。歯ぎしりや食いしばりなどの癖を、自分でできるだけしないように気を付けるようにします。次に「スプリント療法」では、取り外し式のマウスピースを作成し、日常的に装着することで噛み合わせを治します。「リシェイピング」は、噛み合わせのバランスを調整する治療で、専用の機器で咀嚼の運動状態を記録して、模型を作成し歯の形を整える治療を施します。この「リシェイピング」と併せて、専用の素材を使って歯の形を整える「咬合再構成」と呼ばれる治療も行なうと効果的です。
良い歯のカタチになるよう被せモノで歯のカタチを整えたり、悪い差し歯を新しい差し歯に入れ替えたりして、噛み合わせのバランスをとります。噛み合わせの悪い状態の歯並びの場合は「歯の矯正治療」が効果的です。出っ歯やすきっ歯などの歯並びの悪いケースでは、矯正治療以外に噛み合わせを治すことができません。日常生活のなかで噛み合わせが悪いと感じたなら、歯科医院に相談しましょう。もしも噛み合わせが悪いのかどうか分からない場合は、歯のクリーニングを兼ねて歯科医院への相談をおすすめします。